曲木技法4〜蒸気曲げ〜
今回は蒸気曲げについてです。
簡単に言うと大きなセイロを作り、木を蒸して熱を与え曲げる方法です。
蒸し器は金属製やプラスチックなど何でもよいですが、ある程度水分や熱に耐えられるものでなければなりません。ある程度の規模の家具工場などは大きな金属製の蒸し器を備えています。アパレルブランドのマーガレットハウエルのブログにイギリスのアーコール社の工場を訪問した記事が出ていますが、大きな円筒形のスチーマーが載った写真がアップされています。大量生産を考えない場合、製作面やコストの面から考えると、コンクリート型枠用の塗装合板がベストだと思います。これだと、ホームセンターで手に入りますし必要な大きさのものを簡単に作る事が出来ます。
スチーマーは簡単な箱形で、材料の出し入れがしやすいように扉をつけておきます。洋書にはベンディングの専門書があり、それには引き出し式の物も載っています。使用してみて蒸気が漏れすぎるようであれば、内側にコーギングすると良いでしょう。材料を底から浮かせ、まんべんなく蒸気に当たるように桟をわたしておきます。2段にしておくと一度にたくさん蒸す事ができ便利です。
湯を沸かす方法は何でも良いですが、安定して蒸気が発生するような大きな鍋と安定した熱源が必要になります。室内での作業ですと、カセットコンロが手頃でよいでしょう。
グリーンウッドワークという生木で家具を作る方法がありますが、この場合大きなドラム缶に水を張り直火で湯を沸かして曲げ木をおこなっていたようです。
つづく