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普通のデザイン


写真は古いスツールとそれを参考にデザインしたものです。 古い方は軽く掘りこまれた(あるいは使ううちに削れた?)座面に旋盤加工された丸脚が差し込まれた簡単な作りの物です。脚や座面裏は刃物の跡がみられる荒仕上げとなっていて、おそらく製作者は自分で使うために作ったものと思われます。特別デザインされた形跡を感じさせる物ではないですが、長年使用されてきた風格が漂っています。 私の尊敬するデザイナーである深澤直人とジャスパー・モリソンが5、6年前にスーパーノーマルという考え方を示していました。普通であることと、スーパーであること。つまり、特別の「普通さ」を感じさせるデザイン。 深澤氏の著書『デザインの輪郭』には「いいふつうがつくれたら本当にすごいと思います」という一文があり「いいふつう」の難しさが示されています。 二人のデザインは一見どこにでもありそうな物に見えますが、ふつうでやさしく心地よく、強く引きつける力を持っています。刺激的なデザインが求められる世界で「普通」であることはとても難しい事だと思います。 このスツールもどこにでもあるような普通の物をデザインすることを心がけて製作しました。

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